コンクのワイン:2007年アヴェロンに新しいワインが誕生、このコンクのワインはアヴェロンの「地酒」に格付けされた。ワインのブドウ品種は、修道院付属教会を見下ろすブドウ畑で育ったメルローとカベルネであり、美しいルビー色をもった、コンク独特のワインに仕上がっている。今このワインの格付けと素晴らしい景観を楽しめるのは、かつて若きブドウ栽培者パトリック・ロルがドゥルドゥーの斜面に6haもの土地を購入したおかげと言えよう。
コンク(Conques)の村の起源はメロヴィング朝時代(481~751年)に遡る。
修道士ダドンがこの地に隠遁し、今も修道院付属教会の前を流れるプロの泉のほとりに住みついた。その後819年に修道士メドラルデュが、さらに他の修道士たちもこの地で修道の日々をおくり、やがて救い主に捧げる教会が建てられ、シャルルマーニュの一族がここに修道院をおいて庇護し、コンクの村を経済的に支えた。
しかしコンクの繁栄を決定づける出来事が起こったのは、聖女フォアの遺骨が修道士によってアジャンからコンクに持ち込まれた866年のこと。
わずか12歳で殉教した聖女フォワの聖遺骨は、幾人もの盲者を治し、彼らの鎖を解き放った。聖女フォワの奇跡がコンクの評判を築き、サンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼路の要所となっていく。
11世紀に入り、修道院長ベゴン3世が修道院付属教会を建築。金銀細工の技術を身につけていた修道士たちは、多くの聖遺物と祭具に金装飾を施し、西洋世界で最も美しいと評される宝物を生み出した。
革命期の混乱はコンクの宗教的支配力に終止符を打つこととなるが、その時期も村人は修道院付属教会の宝物を守り通し、革命勢力の手にわたるのを防いだ。
やがて平和が戻ったものの、宗教者らは散り散りになり、教会は打ち捨てられていた。教会は村の所有となったが、維持に莫大な費用がかかった。
1837年、小説「カルメン」の作者としても知られる歴史記念物監督官プロスペル・メリメが教会の保存を国に進言。1873年にはプレモントレ修道会の神父らが修道院に定住し、このときから宝物はその価値にふさわしく保存されるようになった。
村は現在、コンク小郡の役所所在地。フランスで最も美しい村のひとつに数えられ、フランスを代表する観光名所であり、ユネスコの世界遺産にも登録されている。
中世の遺産を今に伝えて
かけがえのない貴重な宝物は、人々の手によって修復され、保存されてきた。
金銀、七宝が施され、宝石が散りばめられた多くの聖遺物箱は、歴史の有為転変を経ながらもみごとな状態で保存されている。
中世から継承した最も美しい工芸品に数えられ、ヨーロッパ屈指の宝物といわれる。個々の作品の洗練された形と装飾は、見る者を驚嘆させ、魅了する。
サント・フォワ修道院付属教会の西側正面には、12世紀前半に制作されたロマネスク彫刻、「最後の審判」のタンパン(正面開口部アーチ部分の半円形の小壁)がある。
教会前広場に着いてタンパンを見上げると、多くの人物とさまざまな場面が彫られているにもかかわらず、驚くほどくっきりと「最後の審判」の図が浮かび上がってくる。
文化と芸術
季節がよくなると、音響効果抜群の荘厳なサント・フォワ教会でコンサートが開かれる。
また、中世に関するセミナーやシンポジウム、文化ツアーが頻繁に催され、コンクは中世研究の中心地でもある。
コンクの豊かな歴史は大勢の工芸作家を惹きつけ、ここを訪れる人々にすばらしい作品を披露している。
文化省の委嘱で1994年に完成したサント・フォワ修道院付属教会のステンドグラスは、アヴェロン県出身で世界的に知られる現代画家ピエール・スーラージュの傑作。